令和08年11月の聖語

夫れ賢人は安きに居て危きを欲す
『富木殿御書』/建治3年(1277)56歳
=苦しみから逃れる=
「しんどくて、つい手を出してしまいました」と語るある人は、心身の辛さから逃れようと薬物乱用をしてしまったため、最終的に幻覚や幻聴に苦しみ、病院へ駆け込んだことがありました。
掲げている言葉の続きは「寧人は危きに居て安きを欲す」です。つまり、「賢人は苦しみから逃れる方法を知り、常に安楽な心を保っているが、愚かな人は苦しみのなかでも目先の快楽を求め、さらに苦しんでしまう」ということなのです。
また『法華経』には、「燃え盛る炎のなか、柱や壁は崩れ落ち、心身の苦痛が絶えない。そんな屋敷に居ながらも、目先の快楽に耽って外に出ようとしない」という、危険な状態に気付かない愚かさが説かれます。そして、さまざまな苦しみは「貪欲というむさぼりの心が原因である」とも説かれています。
私たちの日常には悩み苦しみが尽きませんが、安易な方法に手を伸ばさず、仏さまがおっしゃられる原因を取り除き、安楽な心を取り戻しましょう。
◎日蓮聖人ご遺文『富木殿御書』
日蓮聖人が、最も頼りにしていた外護者・富木常忍に宛てた書です。同書には法華経の大切な法門、法華信仰者としてのあるべき姿が説かれています。
建治3年(1277)56歳
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